The Architectural Works of Tomoko  Hidari

歴史をつなぐ家

30年の家族構成の変遷の中で3回の増改築を手掛けさせていただいたが、継承すべくものを大事にするという本質は変わらない。
この時の増改築は、子供たちが独立し、自分たちの体力に合わせた「生活改革」と捉えている。住宅の空間構成を計画時点で真行草に捉えなおしてみたといえるかもしれない。旧来からの二間続きの座敷は、行事用の「真」の空間として手を付けず、これまでのLDKは、構造躯体も補強して客用ダイニングとリビングの「行」のエリアに仕立て直した。日常の夫婦の場は対面キッチンに続くファミリールームであるが、日本風に表現すると茶の間的な「草」の空間である。改築と同時に、増築した部分は、日常のなかの非日常空間とでもいう捉え方をしてみた。30年前のわら葺き屋根の時代の渡り廊下―ケヤキの床材をトイレの床に利用して、かつての旧家の面影を偲ぶことができる。浴室は、旅行に出にくくなった代償としてバブル付きの浴槽として温泉気分を提供。また、洗面所は、広めにとり、着替え用のベンチなど、バリアフリー対応もすでに取り込まれている。建築家の用意できるのは、これらのハードだけであるが、住まい手は、それを十分に活用されている。

所在地:
千葉県船橋市
設計 :
左知子建築設計室・MAY設計・知久設備
施工 :
バウ建設(株)
構造 :
RC2階建+鉄骨2階建て(増築部)
面積 :
398.1m2
完成 :
1999年11月

歴史をつなぐ家

歴史をつなぐ家

歴史をつなぐ家

歴史をつなぐ家

撮影:スタジオバウハウスネオ

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